あらすじ
ISBN: 9784065370544ASIN: 406537054X
「天国」と呼ばれる場所を探して、「魔境」と化した未来の日本を旅するマルとキルコ。関西復興省の管理する町で超巨大な人食い(ヒルコ)を援軍の協力を得て討伐した二人は、「高原学園」の設立目的やそこに暮らしていた子ども達の秘密、そして「天国」の場所を知る。旅を再開したマルとキルコだが、道中で「新天国」と呼ばれる場所の存在を聞かされ……!? 時は変わり「大災害」の日、幸せに生きてきた者にも幸せを奪ってきた者にも等しく訪れた世界の崩壊は、それぞれの人生を大きく歪ませていった。テレビアニメが世界でも大好評の少年少女サバイヴ群像劇、最新11巻!!
石黒正数氏の筆致は、緻密な伏線と不条理に直面する人間の生々しい感情を鮮烈に描きます。第十一巻は崩壊の起点「あの日」を冷徹かつ叙情的に映し出し、文明が瓦解する瞬間の美しくも残酷な静寂を際立たせています。単なるサバイバル劇を超え、運命に抗う少年少女のアイデンティティを問う哲学的な深みこそが、本作の真髄と言えるでしょう。 アニメ版が圧倒的な映像美で没入感を与えたのに対し、原作には行間に潜む示唆的な意図と、思索を深める独特の「溜め」があります。アニメの疾走感を原作の静謐な描写で補完することで、読者はより重層的な終末世界を体験できるはずです。失われた日常への挽歌が胸を打つ、現代の黙示録としての迫力に満ちた傑作です。
