外天楼
あらすじ
ISBN: 9784062930888ASIN: 4062930889
増改築を繰り返し迷路のようになった集合住宅「外天楼」で死体が発見された。ロボットが跋扈する世界で次々と起こる奇想天外な事件!
石黒正数が描く「外天楼」は、単なるSFミステリの枠を越え、人間の業と愛憎が幾重にも積み重なった迷宮そのものです。一見するとシュールで軽妙な連作短編の体裁を取りながら、緻密に計算された伏線が収束していく構成の妙は圧巻。読み進めるほどに、喜劇の裏側に潜む冷徹な真実が剥き出しになる、知的な興奮と戦慄を禁じ得ません。 本作の本質は、生命の尊厳や創造主としての傲慢さを問う、極めて文学的な深みにあります。ロボットが跋扈する歪な日常の中で、無垢な命と冒涜的な欲望が交錯する瞬間、読者は自身の倫理観を激しく揺さぶられるでしょう。最後の一頁を閉じたとき、その圧倒的な虚無と救いの余韻に、立ち尽くすこと間違いありません。
