ジブリの哲学
あらすじ
ISBN: 9784000234955ASIN: 4000234951
世界中で愛されているアニメーション映画を、どのように作ってきたのか。そこには人との出会いがあり、大好きな映画を観てきた日々があり、プロデューサーとしての「戦略」がある。さらに、異分野・異世代の人たちと頻繁に語りあい、堀田善衛、加藤周一など時代をつくった人たちからも、直接に多くのことを学んできた。そして宮崎駿監督、高畑勲監督との日常の何気ない会話から生まれてきたことも...。ものづくりの愉しさと、著者の熱い思いが伝わってくる、ドキュメントエッセイ。

スタジオジブリの精神的支柱であり、日本アニメーションを世界へと押し上げた稀代のストラテジスト、それが鈴木敏夫という男です。彼は単なるプロデューサーの枠を超え、宮崎駿と高畑勲という二人の巨星の才能を、時代を揺るがす熱狂へと変貌させる錬金術師としての役割を担ってきました。徳間書店の編集者として「アニメージュ」を創刊し、現場の熱量を誰よりも早く察知したその鋭い感性は、やがてスタジオジブリの設立という大きなうねりを生み出します。彼の歩みは、作家の純粋な創作意欲を守り抜く献身と、それを大衆の心に届ける冷徹なまでの市場感覚が同居する、極めてドラマチックな軌跡です。キャリア統計に目を向ければ、携わった作品数は63本に及び、平均評価★7.1という極めて高い水準を維持し続けている事実は、彼の企画眼がいかに卓越しているかを証明しています。特にアニメ、ファンタジー、ドラマというジャンルにおいて、単なる虚構を超えた血の通う人間ドラマを成立させる手腕は他の追随を許しません。映画という魔法を信じ、言葉の力で世論を動かし、文化としての日本アニメを確立させたその功績。現在も代表取締役議長として業界を牽引する彼は、まさに現代映画史を象徴する、生ける伝説と言っても過言ではありません。