あらすじ
ISBN: 9784861524509ASIN: 4861524504
NHK「日曜美術館」司会素顔のエッセイ。井浦新の素顔に出会う書き下ろし“コラム”も収録。
本書は、俳優・井浦新が美の深淵と対峙し、芸術家の魂を肌で感じ取った思索の記録です。単なる番組解説に留まらず、一人の表現者が美の本質を捉えようとする切実な「呼吸」が言葉に宿っています。静謐ながらも熱を帯びた文体は、読む者の美意識を刺激し、作品の裏側に潜む普遍的な人間ドラマを鮮やかに照らし出します。 映像版がライブ感を重視するのに対し、本書はテキストならではの深い沈潜を可能にします。映像で捉えた感動が、彼の血肉を通した言葉で綴られることで、より多層的な物語へと昇華されています。番組の残像を胸に本書を紐解けば、芸術を愛でる行為が、自己の感性を研ぎ澄ます贅沢な旅へと変わるはずです。

静謐な佇まいの中に、マグマのような情熱を秘めた表現者。井浦新は、現代の日本映画界において、作品の品格を決定づける唯一無二のアイコンといえます。1974年、東京都日野市に生まれた彼は、当初「ARATA」の名でモデルとして圧倒的な支持を得ましたが、是枝裕和監督に見出されたデビュー作を機に、スクリーンという表現の深淵へとその身を投じました。俳優としての研鑽を積む一方で、ファッションブランド「Elnest Creative Activity」のディレクターや、一般社団法人匠文化機構の理事を務めるなど、その活動は極めて多角的です。この飽くなき探究心と創造性は、演じる役柄にも類稀な奥行きと知的な色気を与えています。これまで131作品という膨大なキャリアを築き上げ、平均評価★6.8という高水準を維持し続けている事実は、彼が単なる多作な役者ではなく、常に質の高い芸術表現を追求し、観客からの厚い信頼を勝ち得ている証左に他なりません。得意とする重厚なヒューマンドラマやロマンス、時には軽妙なコメディに至るまで、どのジャンルにおいても、彼は徹底して「個」の葛藤と慈しみを体現します。業界の重鎮から新進気鋭の作家までを魅了するその存在感は、日本の映画文化を豊かに彩り、観る者の心に静か、かつ消えない火を灯し続けているのです。
実写化・アニメ化された映画やドラマを観て、原作小説ならではの美しい心理描写や、映像化で新たに加えられた解釈・演出との違いを楽しみましょう。
映像化情報を読み込めませんでした(著者の権利情報など)。