若松孝二監督が、かつて自身も身を置いた時代の熱狂と狂気を、剥き出しの執念でフィルムに焼き付けた衝撃作です。若者たちが抱いた崇高な理想が、集団心理という密室の中で「総括」という名の凄惨な暴力へと変質していく過程は、単なる歴史の再現を超え、人間の精神が崩壊する極限状態を容赦なく突きつけます。
坂井真紀や井浦新ら俳優陣の、魂を削り取ったかのような凄絶な演技が観る者の呼吸を奪います。雪深い山荘の閉塞感の中で、肉体と理性が摩耗していく姿は、正義が牙を剥く瞬間の恐ろしさを生々しく伝えています。本作は過去の事件を描きながらも、現代社会にも通じる組織の闇と個の尊厳を激しく問い直す、あまりにも鮮烈な映像体験となるはずです。