のちに世界最古の長編小説といわれる「源氏物語」を生み出した、紫式部の人生を描きます。武家台頭の時代を目前に、華やかにひらいた平安文化の花。きらびやかな平安貴族の世界と、懸命に生きて書いて愛した女性の一生に挑戦する大河ドラマです。
この作品の真髄は、合戦ではなく、平安という静謐な時代を舞台にした言葉と情念の戦いにあります。吉高由里子が見せる繊細な表情と、柄本佑が体現する静かな野心は、観る者の魂を激しく揺さぶります。色鮮やかな十二単が織りなす映像美は、当時の貴族社会の孤独と、その中で研ぎ澄まされる知性を鮮烈に描き出しています。 個人の抱く深い喪失感が、いかにして不朽の表現へと昇華されていくかという創造の苦悩を追う点は、本作最大の魅力です。書くこと、そして生きることの本質を問い直す本作は、現代を生きる私たちの心にも鋭く突き刺さります。一筆ごとに込められた情熱が、千年の時を超えて響き渡る圧巻の人間ドラマです。
監督・制作: Oishi Suzuka
脚本: 大石静
音楽: Yumi Tōno
制作会社: NHK / NEOTECH / NHK Enterprises