あらすじ
追う者、国税局の敏腕査察官・春馬草輔。追われる者、天才脱税コンサルタント・村雲修次。「マルサ」の名で知られる国税局を舞台に、資産6,000億の脱税を巡って追跡(チェイス)が始まる。航空機事故で妻を奪われた春馬と複雑な過去を抱える村雲の攻防は、やがて立場を超えた愛憎劇、復讐(ふくしゅう)劇へと発展していく。
作品考察・見どころ
本作の真髄は、熱き正義を貫く査察官と、冷徹な知性でマネーを操る天才の壮絶な魂の激突にあります。江口洋介の泥臭い執念と、井浦新が放つ静謐な狂気が火花を散らす様は、単なる経済ドラマの枠を完全に超越しています。欲望と虚無を剥き出しにする先鋭的な演出は、観る者の倫理観を激しく揺さぶり続けます。
富とは何か、真の正義はどこに宿るのか。国境を越える複雑怪奇な金の流れを、息もつかせぬスピード感で描く映像表現は圧巻の一言です。知性と感情が交錯し、人間の本性を抉り出す凄絶なサスペンスは、鑑賞後も消えない深い余韻を残します。この圧倒的な熱量を、ぜひ五感で浴びてほしい傑作です。