あらすじ
フリーターの大川(窪塚洋介)のもとに突然、絶縁状態だった学生時代の友人・洞口(井浦新)が15年ぶりに現れる。「縁切った人と会っちゃったら、縁切れてねぇじゃねぇか。」「だからつないだんだよ」大川はあきれながらも言いくるめられ、同棲相手・楓(倉科カナ)と、洞口の昔の恋人だった(?)京子(市川実日子)を巻き込み、海へ行くことに。「今さらなんだよ」「何があったんだろ?」「おみやげ買いたい」どこかちぐはぐな空気と???がうずまく中、一日だけの特別(エクストリーム)な旅が始まる。どうして15年も会わなかったのか?
作品考察・見どころ
井浦新と窪塚洋介という稀代の表現者が、何でもない日常を「究極の非日常」へ昇華させる様は圧巻です。本作の真髄は、言葉にできない絶妙な空気感と、無為な時間のなかに漂う贅沢なまでの空虚さにあります。二人の阿吽の呼吸が生み出す奇跡的なリズムは、観る者を理屈を超えた多幸感へと誘い、心を静かに震わせます。
著者自らが監督を務めた本作は、原作小説の鋭利な言語感覚を「肉体」と「風景」の緩やかさへと見事に翻訳しました。活字で描かれたシュールな「間」が、映画という媒体を通じることで、圧倒的な体温と実在感を伴って迫ってきます。無意味な瞬間にこそ人生の真理が宿ることを、これほど美しく証明した映像表現は他にありません。