あらすじ
これは、生命(いのち)の唄。 これは、家族の唄。 これは、愛の唄。 直木賞作家・今村翔吾が魂をこめて描く、熱き血潮の流れる真「平家物語」! 歴史とは、勝者が紡ぐもの―― では、何故『平家物語』は「敗者」の名が題されているのか? 『平家物語』が如何にして生まれ、何を託されたか、 平清盛最愛の子・知盛の生涯を通じて、その謎を感動的に描き切る。 平家全盛から滅亡まで、その最前線で戦い続けた知将が望んだ未来とは。 平清盛、木曽義仲、源頼朝、源義経......時代を創った綺羅星の如き者たち、 善きも悪きもそのままに――そのすべて。 生きるとは何か、今、平家物語に問う――著者
ISBN: 9784758414395ASIN: 4758414394
作品考察・見どころ
今村翔吾は、歴史の激流に翻弄された者の「体温」を描き出す稀代の語り手です。本作は、勝者の論理で綴られた正史の裏側に、敗者が遺した涙と誇りを蘇らせます。なぜ『平家物語』は敗者の名を冠するのか。その謎に対し、知将・平知盛の視点から、宿命を越えて愛を貫く人間の尊厳を力強く提示しています。 読者はここで、単なる盛衰の叙事詩を超えた、極限における「家族」の絆を目の当たりにするでしょう。知盛が戦場で見つめたのは、滅びの美学ではなく、次代へ何を託すかという未来への祈りです。著者の筆致は、千年の時を超えて、今を生きる私たちの魂に「生き抜く真意」を激しく問いかけてくるのです。