あらすじ
ISBN: 9784048739283ASIN: 404873928X
国際工作人の顔を持つ作家・武富義彦。彼の小説教室にはひと癖もふた癖もある個性的な面々が集まっていた。大金を横取りした住職。投擲の腕が抜群のホテル副支配人、元自衛隊員、現役の気象予報士、そしてSMの女王...。紀伊半島沖の島で毎年行われる夏の合宿で彼らは海岸に打ち上げられた記憶喪失の美女・八橋しぐれを介抱する。そこへしぐれの行方を追う謎のグループの襲撃を受け辛くも撃退するが、これをきっかけに武富たちは強大な権力を握る巨大な組織と対峙していく...。著者が満を持して放つ21世紀の野性に目覚めた人間群像劇。
森村誠一が描く本作の本質は、日常に埋没した現代人が巨大な権力との対峙を通じて、根源的な野性を覚醒させるカタルシスにあります。多様な技能を持つ曲者たちが結束し、国家規模の陰謀に抗う姿は、組織社会で牙を抜かれた読者の魂を激しく揺さぶり、真の強さとは何かを鮮烈に問いかけます。 映像化作品では迫力のアクションが視覚を圧倒しますが、原作ならではの醍醐味は、各々の技が野性へと昇華されるまでの緻密な心理描写にあります。映像の動的な興奮と、活字が炙り出す静的な狂気。両者に触れることで、森村文学の真髄である不屈の人間賛歌がより深く胸に刻まれるはずです。
森村 誠一 は、日本の小説家・作家。元ホテルマンであり、ホテルを舞台にしたミステリー作品を多く発表している。江戸川乱歩賞や日本推理作家協会賞など数々の推理小説の賞を受賞した。
実写化・アニメ化された映画やドラマを観て、原作小説ならではの美しい心理描写や、映像化で新たに加えられた解釈・演出との違いを楽しみましょう。