あらすじ
見えない人、見えにくい人、見える人が共に読むことができる、「さわる絵本」の制作方法
1970年代から障害の有無にかかわらず、地域の学校で共に学ぶインクルーシブ教育が行われているイタリア。そこで育まれてきた、誰もが一緒に読むことができる「さわる絵本」を制作する上での基本的な理論から、道具・素材などを明示した具体的な制作方法、そしてこれまでに制作された「さわる絵本」を多数紹介します。美しいビジュアルを通じて、新たな読書体験の可能性を探り、インクルーシブな読書をみんなで実践する一歩を後押しするのための1 冊です。
建築家、イラストレーター、造本作家でもある著者のロベルタ・ブリッダ氏は、「さわる絵本」の論文執筆や研究の傍、幼稚園・小学校における美術教育、イラストレーターとしての活動とともに、実験的なさわる絵本の制作、展覧会、ワークショップを多数手掛けてきました。
邦訳版の翻訳・監修は、長年イタリア・ボローニャ国際絵本原画展のコーディネーターを務める森泉文美氏、そのキュレーションを手がける板橋区立美術館館長の松岡希代子氏、また日本で視覚障害者のさわる文化の育成に長年尽力してきた大内進氏が担当します。
008 まえがき/日本語版に寄せて
016 第1章 さわる絵本をめぐるイタリアの実践:現場から
イタリア全国さわる絵本コンクール「トッカ・ア・テ!」/さわる絵本と展覧会/
さわる絵本と図書館活動の展開「コン・タット」プロジェクト/図書館による、図書館のための「コアビタト」プロジェクト/さわる絵本とワークショップ:インクルーシブ教育の柔軟なツール/美術館とさわる絵本/美にふれる教育はなぜ必要か?/日常における、さわる絵本:さまざまな証言
028 第2章 さわる絵本の作り方
さわる絵本とは何か?/さわって読む手:手の機能を使った「ハプティック」な読書の特徴/作ってみよう!「身体、もの、空間」/作ってみよう!「空間における、ものの表現」/さわる絵本の基本的な条件/使用する道具・素材/プロジェクトとコンテンツ/さわるイメージ/コラージュ/布絵本/ダイカット加工/エンボス加工/隆起印刷/さまざまな「もの」を用いた表現/手・耳・鼻などで読む、多感覚なさわる絵本/さわる絵本のテキスト 墨字/点字/ルイ・ブライユと革命的なコード体系の誕生/点字発明以前の文字/製本と絵本のフォーマット/ 紙:坪量と厚さ、成分、紙の目の方向/ファイル型製本(上製合紙製本)/スパイラルリング製本と留め具を用いた製本/ジャバラ折り製本/カード絵本やそのほかのフォーマットのさわる絵本を収める函やファイルボックス/布絵本/変形フォーマットの絵本:さわる絵本と身体、空間、遊び/学校で作るさわる絵本:シンプルな製本方法
130 参考文献
132 イタリア語点字の読み方・書き方
134 日本語点字の読み方・書き方
138 訳者あとがき