あらすじ
本を読むのは、とにかく至福の時なのだ。 怒濤の日々のなかで出会った愛おしい本と人びと――。 日本推理作家協会賞、直木賞、連続受賞のさなか、 サクラバカズキはどんな本を読んでいたか? 『赤朽葉家の伝説』で日本推理作家協会賞を、『私の男』で直木賞を受賞するまでと、してからの、ドキドキとバタバタの日々……。作家サクラバカズキは、そんななかでもとにかく小説を書き続け、ひたすら本を読み続ける。稀代の読書魔を虜にした本をたっぷり紹介する、大好評第二弾。 【もくじ】 三月は(ちょっとだけ)パンク・ロックの月である。 四月は穴居人生活の月である。 五月は熊とパンツとベレー帽だった……。 六月はほんの三日間だけ八頭身だった! 七月は海辺の町でみんなで海産物を手に手に、踊る。 八月は銀の箱を持って匍匐前進する! 九月は地図を握ってあっちこっちにワープする! 十月はドイルの頭にちょっとだけ、触った。 十一月はジョン・アーヴィングに頭から油をかけられる……。 十二月は編集長が酔って石と話す。 一月はコックリさんで埴谷雄高を呼びだす。 二月はコタツで亀になる。 特別座談会 ジゴロになりたい。あるいは四十八時間の恋! 単行本版あとがき 文庫版あとがき
作品考察・見どころ
本書は、桜庭一樹が直木賞受賞という怒濤の渦中で綴った魂の航海日誌です。単なる読書録を超え、本を読むことが自己を救い、世界を再構築する切実な祈りとして描かれています。パンクで可憐な文体から滲むのは、知の海を漂流しながらも己の文学を確立しようとする執念。ページを捲るたびに、過去と未来が交錯する書店の深淵へと誘われるでしょう。 映像版では、活字に秘められた著者の内面世界が鮮烈な情景として具現化されました。読書という孤独で静謐な営みを視覚的なドラマへと昇華させることで、愛書家が抱く熱狂をより多角的に追体験できます。テキストならではの深い内省と、映像が補完する躍動感。両メディアが共鳴し合うことで、物語に命を捧げる作家の「本質」がより鮮明に浮かび上がるのです。



