蜷川幸雄
時代の最尖端を切り拓き続ける“演出家”―その初期20年のすべてを収めた『Note1969~1988』にその後のデータを加え、さらに書き下ろしエッセイで89年以降の自らを語る増補完全版。
本書は、世界のニナガワが創作の最前線で書き留めた魂の航海日誌です。単なる記録を超え、演劇という虚構に生身の「生」を刻もうとする凄まじい執念が溢れています。研ぎ澄まされた言葉が読み手の既成概念を解体していく文学的な破壊衝動こそが、本作の真骨頂。演出家の脳内を剥き出しにしたような切迫感が、読む者の心臓を直撃します。 映像化作品では、本書の「設計図」が圧倒的な色彩と群衆劇へと昇華されています。テキストに凝縮された孤独な思索が、映像の身体性をもって爆発する瞬間のカタルシスは格別です。活字の深淵と映像の躍動を往還することで、表現者が抱き続けた「呪い」と「救い」の正体に深く肉薄できる、贅沢な体験がここにはあります。
蜷川 幸雄 は、日本の演出家、映画監督、俳優。位階は従三位。勲等は文化勲章。桐朋学園芸術短期大学名誉教授、文化功労者。
実写化・アニメ化された映画やドラマを観て、原作小説ならではの美しい心理描写や、映像化で新たに加えられた解釈・演出との違いを楽しみましょう。
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