本作の最大の魅力は、昭和の熱気と欲望が渦巻く温泉街を舞台に、人間の逞しさと滑稽さを剥き出しにした演出にあります。梅宮辰夫が見せる野性味溢れる色気と、緑魔子や大原麗子が放つ危ういほどの透明感。この強烈な個性がぶつかり合うことで、客引きという日陰の生業を通して「生きる」ことの泥臭い美しさが鮮烈に描き出されています。
単なる風俗ドラマに留まらず、社会の底辺で足掻く者たちの連帯と孤独を鋭く抉る視座が秀逸です。画面から漂う頽廃的な空気感と、それを突き破るような爆発的な生のエネルギーは、現代映画では味わえない野蛮なまでの衝動に満ちています。時代の歪みに翻弄されながらも己を貫く人々の姿が、観る者の魂を激しく揺さぶる傑作です。