中村文則
ほの暗さの快楽。若き「実存主義作家」の最新短篇小説集。
中村文則が描く深淵は、単なる絶望ではなく人間の業を射抜く光を放っています。本作は、実存の不安を抱え世界の果てに立つ者たちの叫びを、鋭利な文体で結晶化した珠玉の短篇集です。 虚無のなかに不思議な救いを見出す読書体験は、自己を解体しようとする登場人物の孤独と共鳴し、読者の魂を根底から揺さぶります。 闇を覗き込む悦楽がここにあります。言葉の刃で虚飾を剥ぎ取り、剥き出しの生を突きつける本作は、不条理な現代を生きるための真髄を提示する、文学の最前線と言えるでしょう。
中村 文則 は、日本の小説家。愛知県東海市出身。