あらすじ
ISBN: 9784149233895ASIN: 4149233896
2022年大河ドラマのガイドブック第一弾。主演・小栗旬×大泉洋対談、主要出演者インタビュー、あらすじなど、魅力を徹底紹介。
三谷幸喜が描く本作の本質は、英雄譚の皮を被った壮絶な人間喜劇です。平凡な若者・義時が冷徹な独裁者へと変貌する過程は、文学的な深みに満ちた「堕ちていく物語」と言えます。脚本に潜む笑いと残酷さが共鳴し、歴史の歯車に翻弄される人々の悲哀を浮き彫りにします。 映像が役者の肉体を通した情念を伝えるのに対し、本書は脚本の緻密な構成力を冷静に読み解ける点が魅力です。テキストで策略を追い、映像で感情の爆発を浴びる。この往復こそが、権力に憑かれた者たちの業を深く味わうための、至高の鑑賞体験となるはずです。

現代の日本エンターテインメント界において、これほどまでに「笑い」と「知性」を高次元で融合させた作家は他にいないでしょう。三谷幸喜は、演劇、ドラマ、映画という境界を軽やかに飛び越え、緻密なパズルのような群像劇を構築する稀代のストーリーテラーです。劇団「東京サンシャインボーイズ」の旗揚げから始まった彼の歩みは、テレビドラマ『古畑任三郎』でミステリー脚本家としての地位を不動のものとし、映画『ラヂオの時間』では監督としても世界的な評価を確立しました。彼の描く世界は、一見すると滑稽な状況に置かれた人々が、必死に格闘する姿を通して人間の愛おしさを浮き彫りにします。キャリア統計によれば、これまで69作品に携わり、平均評価★7.2という驚異的な安定感を誇っています。特に得意とするコメディやミステリーの枠組みを借りて、極限状態における人間の本質を炙り出す手腕は唯一無二と言えるでしょう。ワンシチュエーションで繰り広げられるスリリングな会話劇や、歴史的事実を大胆に解釈し直す独創的な視点は、単なる娯楽の枠を超え、日本映画界に「ウェルメイド・プレイ」の真髄を刻み込みました。観客の期待を優雅に裏切り、想像を超える知的な興奮を提供し続ける彼は、今や日本の物語文化そのものを牽引する、生ける伝説の一人といっても過言ではありません。
実写化・アニメ化された映画やドラマを観て、原作小説ならではの美しい心理描写や、映像化で新たに加えられた解釈・演出との違いを楽しみましょう。