あらすじ
昭和15年、演劇は規制され台本は検閲にかけられていた。ある日警視庁の取り調べ室で検閲官・向坂睦男(役所広司)は 劇団・笑の大学・座付作家・椿一(稲垣吾郎)を取り調べようとしていた……。
作品考察・見どころ
役所広司と稲垣吾郎が密室で火花を散らす濃密な心理戦こそが、本作の真骨頂です。笑いを拒む検閲官と、笑いに命を懸ける劇作家。この両極端な魂が、台本の修正という奇妙な共同作業を通じて共鳴していく過程は、人間の根源的な創造への欲求を鮮やかに浮き彫りにします。
冷徹な仮面が崩れ、未知の歓喜に震える役所の繊細な演技と、純粋な情熱を静かに燃やす稲垣の佇まいは、観る者の心を掴んで離しません。抑圧された時代だからこそ際立つ笑いの尊さと不屈の精神。本作は、対話が世界を救う可能性を提示する、映像表現の粋を尽くした人間ドラマの傑作です。
映画化された原作や関連書籍を読んで、映像との違いや独自の世界観を楽しみましょう。