町田そのこが描く本作は、信仰の檻に閉じ込められた少女たちの叫びを、静謐かつ暴力的に突きつける衝撃作です。大人が善意で飾る「楽園」の実体は、個を消し去るための歪な支配。自己を肯定したいという切実な願いが狂気に飲み込まれていく過程は、あまりに冷酷で美しく、読者の倫理観を根底から揺さぶります。
著者は今作で人間の深淵に潜む禍々しさを見事に昇華させました。閉ざされた聖域で対峙するのは、外部の敵ではなく、己の孤独と特別への渇望です。救済と絶望が裏表であることを暴き出す圧倒的な筆致に、最後まで心臓を掴まれ続けるでしょう。町田文学の新境地、その残酷なまでの輝きをぜひ目撃してください。