あらすじ
ISBN: 9784041056035ASIN: 4041056039
やがてこの町から消える少女なずなを巡る典道とその仲間の少年たち。花火大会のあの日、彼らには何があったのか。少年から青年になる時期の繊細で瑞々しい時期の友情と初恋の物語。映像化されなかった幻のエピソードを復刻し、再構成し、劇場アニメ版にあわせて書き下ろされた、ファン待望の小説。テレビドラマ版『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』のOAから、24年の歳月を経てよみがえる、原点ともいえる物語。岩井版の『銀河鉄道の物語』。本書の本編のあとに書き下ろされた「短い小説のための長いあとがき」には、本作品を、始まりの部分から深く楽しむための創作秘話が書かれている。

日本映画界において、光と影の繊細な階調の中に消え入りそうな思春期の記憶を封じ込める、唯一無二の詩情を湛えた映像作家です。その独自の映像表現は「岩井美学」と称され、国境を越えて多くの観客を魅了し続けています。ミュージックビデオやテレビドラマの現場で研鑽を積み、瑞々しい感性で世に衝撃を与えた初期の傑作から、社会の深淵を射抜くような重厚な人間ドラマに至るまで、その軌跡は常に日本映画の最前線を切り拓くものでした。 特筆すべきは、脚本家として「網野酸」という筆名を使い分け、自ら音楽制作にも深く関わるなど、作品の全細胞に自身の美意識を浸透させる徹底した作家性です。FindKeyの分析においても、長年にわたる膨大なキャリアを通じて積み上げられた圧倒的な実績は極めて高く支持されており、時代が移ろっても決して色褪せない強固な存在感を放っています。 デジタル撮影をいち早く取り入れ、既存の枠組みに捉われない革新的な手法で映像表現の地平を拡張し続けてきたその姿勢は、アジア全域を含む次世代のクリエイターたちへ計り知れない影響を与えてきました。ただ美しいだけでなく、剥き出しの感情や残酷なまでの現実を透徹した視座で描き出すその手腕は、今なお世界中の映画愛好家から熱烈な羨望を集めています。
実写化・アニメ化された映画やドラマを観て、原作小説ならではの美しい心理描写や、映像化で新たに加えられた解釈・演出との違いを楽しみましょう。