1992年深夜に放映され、今なおカルト的な人気を誇る『夏至物語』。新たなヒロインにアイナ・ジ・エンドを迎え、岩井俊二監督自らリメイク。モノローグを多用した独特の手法で、愛する人の帰宅を待つ女の子の、愛と狂気に満ちた夏の日を描く。
岩井俊二監督が自らの初期作をセルフリメイクした本作は、光のゆらぎと孤独を美化して描き出しています。主演のアイナ・ジ・エンドが放つ、無垢で危うい存在感は、映像の湿度を肌に感じさせるほど鮮烈です。彼女の佇まいが、静謐な時間の中に潜む切実な熱量を引き出し、観る者の心に深い余韻を刻みます。 原作であるオリジナル版と比較すると、物語の骨格を維持しつつ、現代的な表現者を得たことで普遍的な愛着がより色濃く重なっています。岩井美学の真骨頂ともいえる透明感あふれる映像は、実写と幻想の境界を曖昧にし、観る者を二度と戻れない夏の迷宮へと誘うのです。
監督: 岩井俊二
脚本: 岩井俊二
制作会社: Rockwell Eyes