あらすじ
出産をめぐる家族の物語を、写真+文章で綴る写真集 妊娠・出産をめぐる6つの家族のものがたりを、フォトグラファーであり、自身も3人の子の母である著者が撮影・執筆。普通分娩、帝王切開、不妊治療を経た妊産婦さんや、その家族のお話のほか、きょうだいがうまれるときの上の子のお話など、著者の目線から見た“ものがたり”は、どこか自分や自分の家族のことのように身近に感じられます。そして最後の死産のお話は、悲しいものがたりでありながらも、清々しい読後感を与えてくれます。「この世にうまれること」そして「新しい命を迎えること」について、「感じる」と同時に「考える」ことのできる貴重な一冊です。
ISBN: 9784839957469ASIN: 4839957460
作品考察・見どころ
本書は、写真家であり母でもある繁延氏が、生命誕生の刹那を祈りにも似た視座で綴った珠玉の物語です。単なる記録を超え、写真と言葉が共鳴する本作は、読者の死生観を根底から揺さぶります。特筆すべきは、死産という深い喪失さえも「生」の地続きとして描き出す筆致の清廉さであり、個々の家族の営みを普遍的な「命の賛歌」へと昇華させている点にあります。 映像版は産声や動きで生命の躍動を直感的に伝えますが、原作本には「静止画だからこそ見えてくる永遠」が宿っています。一枚の写真の余白にある物語を自ら思考する体験は、本という媒体ならではの特権です。映像で体感し、本で深く沈潜する。この両メディアの往復こそが、私たちがこの世に生まれてきた奇跡をより多層的な感動へと導いてくれるのです。