あらすじ
『新選組始末記』は、大正から昭和にかけて、元隊士をはじめ壬生周辺の古老や子孫に取材を重ねた子母澤寛が、収集した史料や聞き書きをもとにし、全身全霊をこめて最初に書き上げた歴史ノン・フィクションである。新選組が結成されて百五十年。新選組と隊士たちを研究するうえで必携の基本文献として読みつがれてきた古典が、初版本の総ルビを再現し、小説のように読み易くなってよみがえる。各タイトルごとに最新研究をもとに史実に関する解説を付し、巻末付録に西村兼文の『新撰組始末記』を収録した決定版!
ISBN: 9784806148098ASIN: 4806148091
作品考察・見どころ
子母澤寛が執念の取材で描いた本作の魅力は、敗者たちの「生の匂い」そのものです。文字の向こうから漂う隊士たちの吐息や葛藤は、美化された伝説を剥ぎ取り、一人の人間としての誠を浮き彫りにします。史実と文学が火花を散らす重厚な筆致は、読者を幕末の喧騒へと引き込む圧倒的な熱量を放っています。 映像版が剣戟の美学を映し出す一方、原作は活字でしか表現し得ない深遠な孤独を突きつけます。映像の高揚感を、著者が拾い上げた証言の重みが静かに補完し、物語を立体的な人間ドラマへと深化させる。この相互作用こそが、新選組を永遠の古典たらしめている本質的な悦楽なのです。















































