現代ミステリー界を牽引する名手たちが、人間の深淵に潜む「悍ましさ」を至高の筆致で描き出した傑作集です。単なる悪意の羅列ではなく、誰もが抱える自己愛や歪んだ優越感を鮮やかに剔抉する手腕には、格調高い美しさすら漂います。読者は登場人物の醜悪さに戦慄しながらも、自らの内にある黒い衝動を突きつけられるような、抗いがたい恐怖に没入するはずです。
各編の凄みは、日常の裏側に潜む狂気を「言葉」という精緻なメスで解剖する過程にあります。作家たちの文体が共鳴し合い、読後の「厭な余韻」が極上の蜜となって脳に染み渡ります。人間の本質を抉り出す、美しくも残酷な精神の解剖録。ページをめくる手が止まらない、至高の闇体験を約束します。