現役医師の知念実希人氏が放つ本作は、医学的知見と緻密なロジックが交錯するミステリの到達点です。真夏の凍死という不可能犯罪を通じ、読者の常識を根底から揺さぶります。科学的裏付けが現実の恐怖として迫るスリルは圧巻。理性の光で不可解を解剖していく筆致には、凄まじいまでの知的な色気が漂っています。
天久鷹央が知性で巨大な悪へ挑む姿には、不条理を切り裂くカタルシスが宿っています。本作は技術の進歩が孕む危うさと、人間の本質を鋭く抉り出します。論理の果てに辿り着く真相は、心に凍てつく戦慄と熱い余韻を刻むはずです。知の巨塔に挑む興奮を、ぜひその目で目撃してください。