平田オリザ
美術館の片隅のロビーは、人々が一休みしにやって来ては去る。恋人たち、久しぶりに再会するきょうだいと連れ合い、個人所蔵画の寄贈者、学生。会話の断片は世界情勢から個人の悩みまで照らし出す。戦火が広まるヨーロッパから多数の名画が日本に疎開してきているらしい。故郷で老親を世話する長女を理解してくれるのは誰なのか。淡々とした会話から、穏やかな日常とは裏腹の世界を鮮やかに切り取る岸田國士戯曲賞受賞作。
平田 オリザ は、日本の劇作家、演出家、劇団「青年団」主宰、こまばアゴラ劇場支配人、芸術文化観光専門職大学学長(初代)。青森県立美術館館長。戯曲の代表作に『東京ノート』『ソウル市民』三部作など。小説『幕が上がる』は2015年に映画化され、第70回毎日映画コンクール(TSUTAYA映画ファン賞日本映画部門)などを受賞。