ガブリエル・ガルシア=マルケス/木村榮一
黙して語らぬ民衆の本音を知りたければ、酒場のトイレで落書きを見ることだ。一九五七年、三十歳のガルシア = マルケスが「壁」以前の東西ベルリン、旧富裕層が生き腐れるライプツィヒ、対照際立つプラハとワルシャワ、冷徹残忍のアウシュビッツ、世界最大の村モスクワ、ソ連軍事介入の傷跡深いブダペストと、記者魂で駆け巡った九十日を作家魂で物語る。現在を考える暗示に満ちた十一のルポルタージュ。
ガブリエル・ホセ・デ・ラ・コンコルディア・ガルシア・マルケス は、コロンビアのジャーナリスト、小説家。架空の都市マコンドを舞台にした作品を中心に、魔術的リアリズムの旗手として文学界に多大な影響を与える。1982年にノーベル文学賞受賞。