渡辺淳一
妻との離婚が現実のものとなっていくなか、伊織は霞をともなってヨーロッパへ旅立つ。性愛の極みを次第に昇りつめる霞、徐々に離れていこうとする笙子。どちらを本当に愛しているのか。結論を出せない伊織。移ろいゆく季節とともに、ひとつ、またひとつ、愛は去っていくものなのか。甘美なまでの愉楽。烈しくも雅やかな情痴。切なく、はかない男と女の結びつき。究極の愛を謳いあげた代表作。
渡辺 淳一 は、日本の作家。北海道空知郡上砂川町朝陽台出身。1958年札幌医科大学医学部卒業。同講師。医学博士。初め医療現場を舞台とした社会派小説や伝記小説、恋愛小説を数多く手がけて人気を博した。その後、『化身』『うたかた』『失楽園』『愛の流刑地』など濃密な性描写の恋愛小説で、1980年代から90年代にかけて耳目を集めた。エッセイも多く『鈍感力』が流行語になった。
実写化・アニメ化された映画やドラマを観て、原作小説ならではの美しい心理描写や、映像化で新たに加えられた解釈・演出との違いを楽しみましょう。