宮部みゆき
死んだはずの人間が生き返る「死人憑き」が本所深川で起きた。甦った人物が以前より若返っていると感じた「姉妹屋」のお初は、老奉行の御前さまから紹介された与力見習の右京之介と探索を始めた。だがその時、油樽から女の子の遺体が発見される。人は過去にも家族にも縛られる。霊験お初シリーズ第一弾。
宮部みゆき氏が描く本作は、単なる捕物帳の枠を超え、人間の業と愛憎の深淵を抉り出す至高の時代ミステリーです。不思議な力を持つお初と理知的な右京之介。この対照的な二人が、死者が蘇る怪異の裏に潜む家族の業や過去の因縁と向き合う姿には、胸を締め付けるほどの切なさと文学的な品格が宿っています。 映像化作品では視覚的な怪異が鮮烈ですが、原作には文字でしか描けない心の襞や、江戸の湿り気を帯びた空気感が息づいています。映像で物語の輪郭を捉え、小説で魂の震えに深く触れる。その往復こそが、本作を真に味わい尽くすための贅沢な体験となるでしょう。
宮部 みゆき は、日本の小説家。東京都江東区生まれ。
実写化・アニメ化された映画やドラマを観て、原作小説ならではの美しい心理描写や、映像化で新たに加えられた解釈・演出との違いを楽しみましょう。