寺林峻
播磨に生まれ、八歳で美作・宮本無二の養子となった武蔵は、この地で当理流刀槍術を学び、剣に生きる決意を固める。生涯で六十余回の不敗を誇った決闘では、孤高の兵法者として名声を高める一方、関ヶ原、大坂の陣、島原の乱などの合戦に加わったのは、己の剣で旧い時代を破ることを真に求めたからだった。新しい時代を拓かんと、二刀にて修羅の道をゆく挑戦者・武蔵の新たな一面を描く意欲作。
本作は、孤高の剣豪を旧弊を打破する挑戦者として鮮烈に描く意欲作です。寺林峻氏の筆致は、二刀という異形の才が切り拓く新時代への渇望を浮き彫りにします。凄絶な修羅の道に込められた、既成概念を壊そうとする青い情熱こそが、本作の文学的真髄と言えるでしょう。 映像版ではダイナミックな剣戟が視覚を圧倒しますが、原作は武蔵の孤独な独白や、二刀へと至る論理的な深みを補完します。活字の静と映像の動。両者を味わうことで、稀代の兵法者が抱いた真の野望が、より立体的に読者の魂を震わせるはずです。
寺林 峻 は日本の歴史小説作家、ノンフィクション作家。兵庫県姫路市夢前町生まれ。日本文芸家協会、日本ペンクラブ会員。実家は高野山真言宗鹿谷山薬上寺で、僧侶の資格を持った。
実写化・アニメ化された映画やドラマを観て、原作小説ならではの美しい心理描写や、映像化で新たに加えられた解釈・演出との違いを楽しみましょう。
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