あらすじ
「ジョブズ学入門講座」というタイトルでまとまった文章を書いてみたいと思いついたそのきっかけは、総務省が平成二十六年(二〇一四年)度に独創的な人向け特別枠(仮称) 、通称(変な人プロジェクト)を支援するプログラムとやらを発表し話題になったことにある…。
「変な人」 支援プログラムには ICT技術課題に挑戦する個人を対象にゴールへの道筋が明確になる価値ある「失敗」を奨励し、「大いなる可能性がある奇想天外でアンビシャスな技術課題に挑戦する人」を求めるという「変な人探し」が告知されたのだった。
ともあれそこには具体的にスティーブ・ジョブズのような人物を支援しようとは記されていないが、彼の言葉が引用されていたことから明らかに 「理想の変な人物」とはスティーブ・ジョブズだと考えられる。また米フェイスブックの創業者ザッカーバーグをもイメージしているようだったが実におかしな話である。
ところで、人は例え憧れたにしても「私はアインシュタインになりたい」とは思わないのではないか。
なぜなのか…。
それは斬新な閃きと共に物理学という専門分野において“頭脳明晰”であることや高度な知識と天性のセンスが求められるのを我々も知っているからだ。したがって私たちは簡単にアインシュタインのようにはなれないことを知っている。
しかしおかしな事に対象がスティーブ・ジョブズとなるとどこか違って捉えられているように思える…。
何故なら、「彼は若い頃、ヒッピー同然だった一発屋だ…。話が巧く、人たらしのようだ。友人をおだてて作らせたパソコンがまぐれ当たりで当って大金持ちになった運の強い奴に違いない。大学も中退だしアインシュタインみたいな明晰な頭脳を持っているとは思えない。人間性だって最低の男だというではないか…。
だから基本は我々と同じ普通の人間だ。成功したのは、結果として物事へのアプローチの仕方、考え方、そして運に恵まれたに違いない。であるなら、その彼のたどった道…方法を知れば自分もジョブズみたいに成功できるかも知れない」と考えるようだ。
まあまあ…そういう発想なのだろうが、実に短絡的な考え方ではないか。