あらすじ
ISBN: 9784868051732ASIN: 4868051733
「妻が最後に縋(すが)ったのは俺じゃなく、神(ガンダム)だったのさ…」ガンダムが不要のものとなった世界で、法の外に生きる「血まみれのカオリス」。彼女のもとに100%の成功率を誇る殺し屋、「πのデュラン」の抹殺依頼が舞い込む。そして、カオリスはそのデュランこそが己の実の父であることを知るのだったーー。
井上敏樹氏が放つ本作の真髄は、ガンダムを「神」という偶像から突き放し、剥き出しの人間愛憎劇を構築した点にあります。父娘が殺し合うギリシャ悲劇的な構成は、単なるSFの枠を超えた圧倒的な文学的強度を誇ります。著者の十八番である「生きることの泥臭さと美しさ」が壊れた世界で鮮烈に描き出され、読者の魂を激しく揺さぶります。 映像版ではメカの重厚感や躍動感が補完されていますが、原作の真価は文字から立ち上る心理描写の鋭利さにあります。映像で視覚的衝撃を味わい、原作で登場人物たちの孤独な情動を深く咀嚼する。この双方向の体験こそが、本作を現代の叙事詩へと昇華させています。極限状態で交錯する熱量を、ぜひその目で確かめてください。

井上 敏樹 は、日本の脚本家。埼玉県出身。特撮テレビドラマ作品やアニメ作品を多く手がけている。成蹊大学中退。父親の伊上勝(井上正喜)、娘の井上亜樹子(鐘弘亜樹)は同じく脚本家。自称「大先生」。
実写化・アニメ化された映画やドラマを観て、原作小説ならではの美しい心理描写や、映像化で新たに加えられた解釈・演出との違いを楽しみましょう。
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