あらすじ
二度の追放を経て、八百年ぶりに神官に復帰した謝憐(シエ・リェン)は、
下界で三郎(サンラン)という少年に出会い、ほんの数日の間に親しくなる。
謝憐(シエ・リェン)のことを「兄さん」と呼び、常に悠然と笑っている
三郎(サンラン)。しかしその正体は、天界の神々ですら恐れるほどの絶大な
力を持つ鬼王、花城(ホワチョン)だったーー! 再会を約束するかのように、
指輪を一つ残して姿を消した花城(ホワチョン)。一方、天界に戻った謝憐
(シエ・リェン)だったが、失踪した神官の捜索という任務を受けて鬼市に潜入
することになる。そこはまさに花城(ホワチョン)の縄張りで、彼の住処に招か
れた謝憐(シエ・リェン)は、少年ではない真の姿で現れた彼に「会えて嬉しい」と歓迎されて!?
ISBN: 9784866576299ASIN: 4866576294
作品考察・見どころ
墨香銅臭が描く世界は、絢爛たる美意識と運命が織りなす幻想文学です。神と鬼という対極の二人が織りなす、静謐ながらも熱を帯びた距離感。謝憐の孤独と花城の無償の執着が鬼市という異界で交差する時、読者は単なるロマンスを超えた「魂の救済」という名の叙事詩を目の当たりにするでしょう。 秩序を離れ、混沌の象徴である花城の領域へと踏み込む構成は、善悪の境界を揺さぶる文学的挑戦でもあります。行間に潜む繊細な心理描写は読者の心に消えない火を灯し、ページをめくるたびに祈りにも似た切実な情愛が溢れ出します。これは愛という名の信仰を問い直す、最も美しく激しい聖書なのです。