満員電車の扉付近、痴漢の巣窟、魔の三角コーナーと呼ばれる空間で、沙織は唇を噛み、声を押し殺していた。扉の手すりに背中を預け、すぼめた肩は吊りあがってしまっている。上司の健司が、真正面から体を密着させてくる。スカートの裾を捲りあげ、股間に指を潜りこませ、小刻みに震える女陰を撫でまわしてくる。声を出したくても出せない...逃げられない葛藤に煩悶する沙織の瞳には、健司の周りを囲むようにして、淫らな視線を向けてくる男たちの姿が映っていた。それが痴漢倶楽部のメンバーだと、沙織は知る由もない...。
ISBN: 9784829632062ASIN: 4829632062