あらすじ
橘田柾人には“恋の終わり”が見える。恋人と別れるまでの日数が頭の上に現れるのだ。どんな恋にも終わりはあるし、恋なんてくだらない、愛なんか無意味だ。そう思っていた柾人だったが、同級生の七里梓帆に恋をしてしまい、そんな思いは吹き飛んでいった。自分なりに行動し、距離を詰めていく柾人。徐々に二人の仲は深まっていくが、恋の終わりを示す数字が梓帆の頭上に表れてしまった。しかし「もう自分の気持ちに噓をつきたくない」と柾人は初めて運命にあらがい、未来を変えるために奮闘する――。
ISBN: 9784813714729ASIN: 4813714722
作品考察・見どころ
愛の終焉がカウントダウンされるという残酷な設定を通じ、本作は「終わりがあるからこそ輝く瞬間の尊さ」を鮮烈に描き出しています。蒼山皆水氏が綴る、冷笑的な諦念が熱を帯びた執着へと変わっていく心の機微は、あまりに瑞々しく、ページをめくる読者の胸を強く締め付けます。 文学的な見どころは、不可避の運命という檻の中で、いかにして人間の「意志」が奇跡を呼び起こすかという葛藤のドラマにあります。数字という冷徹な事実に抗い、今この瞬間を永遠にしようと足掻く主人公の姿は、愛の本質が単なる執着ではなく、相手を想い抜く献身にあることを教えてくれます。絶望の果てに掴み取る光の美しさを、ぜひその目で見届けてください。