櫻いいよ
好きだ―。高2の希美は、移動教室の机の中で、ただひと言、そう書かれた手紙を見つける。送り主は、学校で人気の瀬戸山くんだった。同学年だけどクラスも違うふたり。希美は彼を知っているが、彼が希美のことを知っている可能性は限りなく低いはずだ。イタズラかなと戸惑いつつも、返事を靴箱に入れた希美。その日から、ふたりの交換日記が始まるが、事態は思いもよらぬ展開を辿っていって...。予想外の結末は圧巻!感動の涙が止まらない!
櫻いいよ氏が描く本作の本質は、偽りの自分を演じる孤独と、そこからの救済にあります。希美が抱える「空気を読みすぎる」葛藤は、現代を生きる私たちが隠し持つ切実な痛みそのものです。嘘から始まった交流が真実へと変容していく過程は、言葉の持つ魔力と不器用な魂の輝きを鮮烈に描き出しています。 アナログな日記が醸す深みが、物語に圧倒的な透明感を与えます。嘘というヴェールが剥がれ、生身の感情が溢れ出すカタルシスは圧巻です。読後、あなたの心には、切なくも温かな「本当の自分」を肯定するための光が差し込むはずです。
実写化・アニメ化された映画やドラマを観て、原作小説ならではの美しい心理描写や、映像化で新たに加えられた解釈・演出との違いを楽しみましょう。
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