われわれは、自分が全く気がつかなかったような映像や音声からでも、無意識のうちに影響を受けることがある。これがサブリミナル効果である。サブリミナル効果の威力は強大であり、これをうまく使えば、相手に気付かれないままに、相手を自由に操ることも可能であると信じている人たちもいる。しかし、一方で、これを全く信じていない人たちもいる。認識には少なからず開きがある。実は、サブリミナル効果は、学術的な心理学の研究対象として古くから関心が持たれ、多岐にわたる研究によって、ある程度の知見が蓄積されているものである。しかし、こうした知見はまだ十分に紹介されておらず、われわれ編者は、このことが認識の開きを生んでいるのではないかと考えている。そこで、本書では、それらの知見を詳しく解説し、実際のところ、学術的な観点からは、サブリミナル効果の真偽をどのように考えるべきかという問題について論じたいと思う。