あらすじ
ISBN: 9784434311017ASIN: 4434311018
――冒険の果てに、いつか魂さえ失うと(ロスト)したら? 「その時は、次の冒険者が上手くやるさ」 誰も足を踏み入れたことのない《迷宮(ダンジョン)》の奥で発見された、あるはずのない冒険者の死体――蘇生されたものの記憶を失った男イアルマスは、単独(ソロ)で《迷宮》に潜っては冒険者の死体を回収する日々を送っていた。《蘇生》が成功しようが失敗して灰となろうが、頓着せず対価を求める姿を蔑みつつも一目置く冒険者たち。そんな彼の灰塗れの日常は、壊滅した徒党(パーティ)の唯一の生き残り「残飯(ガーベイジ)」と呼ばれる少女剣士との出会いを機に動き始める! 蝸牛くも×so-binが贈るダークファンタジー登場!!
本作は、古典的RPGの死生観を血の通った文学へと昇華させた珠玉のダークファンタジーです。蝸牛くも氏が描くのは、魂が灰と化す無慈悲な迷宮のリアリズム。死体を回収し続ける男の孤独と野性的な少女の出会いは、絶望の底に灯る微かな体温のように読者の心を揺さぶります。 映像化作品では圧巻の視覚情報で迷宮の恐怖が補完されていますが、原作の真髄は死生を巡る詩的で冷徹な筆致にあります。テキストならではの重厚な心理描写と、映像の躍動感が合わさることで、命の儚さがより鮮烈に。この「灰」の物語は、両メディアを往復することで真の深淵を見せてくれるでしょう。