柴田よしき
平成女性が「パラレル平安朝」にタイムスリップ。アンカー「紫式部」のアシとして物語ネタ探しの日々が始まる。SF王朝ミステリー!
本作の真髄は、単なる歴史浪漫に留まらず、物語を紡ぐという行為の根源的な喜びと苦悩を浮き彫りにした点にあります。柴田よしきが描く平安朝は、現代女性の視点を介することで鮮やかな色彩を帯びて立ち現れます。天才・紫式部の伴走者として物語の種を探す日々は、古典文学がいかにして血の通った創作物として誕生したのかを、圧倒的な熱量で読者に追体験させてくれます。 ミステリーの名手らしい緻密な構成が、優雅な宮廷の裏に潜む人間の業や謎を見事に描き出します。時空を超えて響き合う二人の女性の魂は、千年の時を経ても変わらぬ孤独や矜持を映し出し、読む者の心に深く突き刺さります。文字という魔法を通じて生の本質を探求する、極上の知的冒険譚と言えるでしょう。
柴田 よしき は、日本の小説家・推理作家。『RIKO - 女神の永遠』で第15回横溝正史賞を受賞。