オルハン・パムク/宮下遼
ライハと駆け落ちをしたメヴルトは、日中は様々な仕事をしながらも、あいかわらず冬の夜はボザを売りに出かけていた。イスタンブルとその住民、そしてトルコに訪れる変化を路上から目撃しながら、彼は長年抱き続ける、自分と世界についてのひそかな違和感について思いをめぐらすーこの違和感はいったい何から生まれたのだろう?いくつもの声を重ねて描き出される、都市と人の移り変わり。ノーベル文学賞作家が放つ現代の叙事詩。
オルハン・パムク は、トルコの作家。現代トルコを代表する小説家であり、故郷の町イスタンブールを舞台に、トルコの西欧化の問題をポストモダニズムとも言われる前衛的な作風で描くことで知られる。2006年にノーベル文学賞を受賞し、トルコ人で初のノーベル賞受賞者となった。代表的な作品に『白い城』『黒い本『新しい人生』『わたしの名は紅(あか)』『無垢の博物館』『雪』など。