中央公論新社
阿片に溺れた友人の謎、遺書が語る恋と殺人、妻への妄執が生んだ惨劇―。江戸川乱歩が「大正期文壇の一角に燃え上がった、かくの如き犯罪と怪奇への情熱」と評した幻のミステリ特集、『中央公論秘密と開放号』(大正七年七月臨時増刊)が現代に甦る。創作七篇、随筆二篇を収録したアンソロジー。
大正七年、乱歩以前に編まれた伝説の増刊号が甦る本作は、日本ミステリの原初の叫びです。文豪たちが描くのは、開花期の空気の中で燻る阿片の煙や、制御不能な情愛の残滓。そこには論理を超えた人間の深淵、耽美的なまでの狂気が凝縮されており、読む者の五感を妖しく震わせます。 純文学の旗手たちが挑んだ犯罪という名の芸術は、言葉の呪縛に満ちています。歪んだ恋情や妄執は、時代の境界線上でしか生まれ得なかった魂の震えです。歴史に埋もれていたミステリの始源、その圧倒的な磁場と暗い熱量を、ぜひ全身で浴びてください。
株式会社中央公論新社(ちゅうおうこうろんしんしゃ)は、日本の出版社である。読売新聞グループ本社の傘下。略称は中公(ちゅうこう)。