綿矢りさ
二十一世紀終盤。かの震災の影響で原発が廃止され、ネオン煌めく明るい夜を知らないこの国を、新たな巨大地震が襲う。第二の地震が来るという政府の警告に抗い、大学の校舎で寝泊まりを続ける学生たちは、カリスマ的“リーダー”に希望を求めるが...極限状態において我々は何を信じ、何を生きるよすがとするのか。大震災と学生運動をモチーフに人間の絆を描いた、異色の青春小説。
綿矢りさが描く本作は、暗闇に沈む近未来を舞台に、極限下の若者たちが放つ「熱」を鮮烈に抉り出した黙示録です。不条理な大地に抗う「ゲーム」は、生存を超えた魂の尊厳を問う烈しい叫びに他なりません。著者の鋭利な筆致が、絶望の中でこそ輝く狂気的な純真さを鮮やかに浮き彫りにします。 カリスマに導かれる学生たちの熱狂は、現代的な孤独と連帯の危うさを鋭く射抜きます。崩壊しゆく世界で何を信じ、何に殉じるのか。平穏な日常を根底から揺さぶり、真に「生きる」ことの重みを突きつける、比類なき青春の記録です。