あらすじ
らんたんの灯を絶やさないで。それは教育という名の希望なのだから――。伊勢に生まれた河井道は、札幌で新渡戸稲造に学び、米ブリンマー大学に留学、帰国後は津田梅子が創設した女子英学塾で教えた。良妻賢母ではなく、ひとりの人間として生きるための女学校をつくろうと、道は教え子の渡辺ゆりと奔走する。明治・大正・昭和の女子教育を築いた〈魂の姉妹〉(ルビ・シスターフッド)を描く、輝きに満ちた大河小説!
ISBN: 9784101202440ASIN: 4101202443
作品考察・見どころ
柚木麻子氏が挑んだ本作は、歴史の教科書に刻まれた静的な偉人伝ではありません。そこにあるのは、良妻賢母という旧弊な枠組みを打ち破り、一人の人間としての自由を渇望した女性たちの、血の通った熱き闘争の記録です。著者の筆致は、教育という名の希望を灯し続けた河井道の強固な意志を、鮮烈な熱量とともに現代に蘇らせています。 特筆すべきは、道と渡辺ゆりが築き上げる、単なる友情を超越した魂の連帯「シスターフッド」の描写です。暗闇を照らすらんたんの火を絶やさぬよう、互いを鼓舞し、高め合う二人の姿は、時代を超えて読む者の胸を激しく打ちます。言葉の力で未来を切り拓こうとする彼女たちの高潔な魂に触れるとき、私たちは真の自立とは何かを強く問い直されることになるでしょう。







