東川篤哉
山奥のホテル『奥多摩荘』で、国会議員の七十歳の誕生日を祝い、後継者となる息子をお披露目するパーティが開かれる。招待された麗子は、執事の影山と会場に赴いた。賑やかな宴の最中、男性客が飲み物に毒を盛られて死亡する事件が発生。さらに長雨による土砂崩れで奥多摩荘に通じる山道は通行不能となり、客は会場に閉じ込められる。警視庁に栄転した風祭警部の登場で、元上司とまさかの再会を果たした麗子は、真相を究明すべく事件に挑むが!?著者が自選した傑作3編と、新章へとつながる書き下ろし新作『殺意のお飲み物をどうぞ』を収録した豪華ベスト版。
東川篤哉氏が確立したユーモア本格ミステリの真髄が、このベスト版には凝縮されています。令嬢刑事と毒舌執事のやり取りは単なる娯楽に留まりません。論理の積み重ねで鮮やかに真実を導き出す快感は、本格ミステリの原点回帰とも言える知的な遊び心に満ちており、読者の推論を心地よく裏切ってくれます。 特に新作では、古典的なクローズド・サークルという設定を現代的な軽妙さで再構築する手腕が光ります。傲慢な風祭警部ら強烈なキャラが織りなす人間模様は、社会の虚飾を滑稽に描きつつ、どこか人間味に溢れています。極上の謎と洗練されたユーモアが、あなたを贅沢な思考の迷宮へと誘う至高の傑作です。
東川 篤哉 は、日本の小説家、推理作家。広島県尾道市生まれ。山口県立豊浦高等学校、鹿児島高等学校を経て、岡山大学法学部を卒業。
実写化・アニメ化された映画やドラマを観て、原作小説ならではの美しい心理描写や、映像化で新たに加えられた解釈・演出との違いを楽しみましょう。