あらすじ
ISBN: 9784062750028ASIN: 4062750023
その日、広島は核の業火に包まれた。人類史上類を見ない大量殺戮の閃光が、日本に定められた敗北の道を歩ませ、「国家としての切腹」を目論む浅倉大佐の計画を加速させる。彼が望む「あるべき終戦の形」とは?その凄惨な真実が語られる時、伊507乗員たちは言葉を失い、そして決断を迫られた。刮目の第3巻。
福井晴敏が描くのは、歴史の激流に呑み込まれながらも個の尊厳を懸けて抗う人間たちの咆哮です。本作の真髄は、単なる架空戦記の枠を超え、国家の正体と守るべき未来の形を読者に突きつける点にあります。緻密な潜水艦描写と超常的な謎が融合した圧倒的なリアリティは、五感を激しく揺さぶり、我々を深淵なる物語の底へと引きずり込みます。 狂気と正気の狭間で揺れる登場人物たちの葛藤は、文字が熱を帯びているかのような錯覚さえ抱かせます。絶望の中で彼らが下した血を吐くような決断は、現代を生きる我々への祈りにも似たメッセージです。ページをめくるごとに魂が削られるような、極限の人間ドラマをぜひその目で目撃してください。