田宮虎彦
死を決意した学生の「私」が四国で巡り合った老巡礼との邂逅、その無償の好意で救われる表題作「足摺岬」、新聞配達少年との心の通い合いと突然の死を伝える「絵本」、敗北する小藩の命運を書く「落城」、初期秀作「霧の中」他。人間の孤独な心に寄りそった、優しい視線の作品世界。
田宮 虎彦 は、日本の昭和期の小説家。『足摺岬』や『絵本』など希望の無い時代の孤独な知識人の暗い青春を描いた半自伝的作品や、弱者に対するしみじみとした愛情に支えられた独特のリアリズム小説を発表し、戦後高い評価を受けた。『落城』『霧の中』などの歴史物でも知られる。
実写化・アニメ化された映画やドラマを観て、原作小説ならではの美しい心理描写や、映像化で新たに加えられた解釈・演出との違いを楽しみましょう。