古き良きイギリスの面影を残す十六世紀の荘園領主の家。久しぶりに我が家に帰ったローレン・ムーアの胸に、ここで過ごした幸福だった少女時代の日々がよみがえる。陽気で楽天的な母、優しかった継父、そして...ライアン。継父の一人息子ライアンと初めて会ったのは十七年前、ローレンは七歳、ライアンは十九歳だった。彼はまるで親鳥のようにいつもローレンを慈しみ、守ってくれた。なつかしいライアン...。だが、六年ぶりに再会した彼は、大企業の経営者となり、見知らぬ他人のように変わってしまっていた。あの、ローレンだけのものだったライアンはもういないのだろうか。