舞台は東アフリカ、ケニア。ナチスに迫害されて第二次世界大戦の前にドイツを脱出したユダヤ人家族の物語。弁護士ヴァルター・レドリッヒは、別世界ともいえるアフリカの地で、妻と五歳の娘とともに新しい人生を始めようと決心する。が、失った地位や財産を思い、ドイツに残してきた家族や友人の身を案じ、心の休まるときがない。いっぽう五歳の少女レギーナは、アフリカの大自然と現地の人々の素朴なあたたかさに囲まれてのびのびと育っていく。雄大なケニアの自然と人々の心の交流を、ピリッとスパイスのきいたユーモアとともに描く、民族苦悩の時代を生き抜いた著者の自伝的小説。