あらすじ
偉大な天才発明家トマ・ロック博士は新発明に没頭していた。ことに、一発で一国の艦隊を全滅させうるというロック式電光弾は恐怖の発明であった。しかし、厳重な警戒にもかかわらず海賊ケル・カラージュの手に奪われた。大西洋諸国は連合艦隊を編成してカラージュの根拠地へと向かったが……正確な科学知識の裏付けをもって描くヴェルヌの卓抜な想像力と驚くべき未来への予見は、学究一途な学者の悲劇的末路を描くと同時に、20世紀の恐怖となった原子力兵器“ミサイル”『悪魔の発明』をも予知した傑作。
ISBN: 4488606032ASIN: 4488606032
映画・ドラマ版との違い・考察
十九世紀の予言者ジュール・ヴェルヌが本作に込めたのは、科学の探究心がいかにして破滅の兵器へと変貌するかという文明社会への警告です。天才科学者の狂気と誇りが混ざり合う心理描写は、神の領域に触れようとする人間の傲慢さを鋭く抉り出しています。知識が暴力に隷従した末路を描く本作は、現代の核の脅威を予見したかのような凄まじい重みを湛えています。 映像化作品では、当時の銅版画を模した幻想的な視覚美が、テキストの持つ重厚な世界観を鮮やかに補完しています。活字で描かれる科学者の孤独な内面と、映像が提示するノスタルジックな造形。この両者を味わうことで、読者は「悪魔の発明」という名の絶望と、その先にある微かな人間性を、より多層的に体験することになるでしょう。







































































































































