マーティン・ピッグ。それはぼくの名前だ。「ブタ」となじられたことは数知れない。いまはもう慣れたけど、それはぼくの心に傷を残している。父は酔っぱらいだ。母はとうに出ていった。どうしようもない家族。でもそれももう慣れた。幸せなんて遠い存在だ。でもアレックスがいる。隣に住む年上のアレックス。彼女はすてきだ。最高にいかしてる。そんなぼくの日常の中で、事件は起きた。すべての責任を誰かや何かに押しつけるつもりはない。たくさんの不満があったとしても、偶然か、あるいは必然だったのかもしれない。事件にアレックスを巻きこんだのも、彼女のクソッたれな恋人が首を突っ込んできたのも、自分でも信じがたい計画を思いついたのも。クリスマスの一週間前、ぼくは父を殺した。これはその一部始終を綴った、いまはもう失きぼくの青春の記録。