その夏、ケイトはルーカスに出会った。ひと目見て、忘れられない魅力をもった不思議な少年。自然に溶け込み、動物や植物を愛し、どこかこの世の人ではないような行動を見せる。思春期の娘を愛しながら心配する父親や、反抗期で変わり果てた兄、不良になって堕ちてゆく親友―そんな周りの変化にとまどい、心を閉ざしていたケイトに、ルーカスは新鮮な喜びを与えてくれた。言葉は少なくても、心を通わせるあたたかな気持ちで。しかしケイトの住む小さな島では、ルーカスは厄介者。村人たちは身元不明の怪しい放浪者として、彼を敬遠し、排除しようとする。そして止める手立てのない悲劇が、ケイトとルーカスに訪れようとしていた...。